豆を訪ねて
~東ティモール その2~

当店で使用している東ティモールの豆は日本のNGO団体Peace Winds Japan(以下PWJ)が現地にて栽培から出荷まで農家さんと一緒に生産しているコーヒーです。
もともとは1999年の独立に関する住民投票後に東ティモール国民が破壊と虐殺を受けていたところへ食料や住居などの緊急支援として参入、独立後2003年よりコーヒー生産者支援を本格化し、当初35世帯だった農家は現在約600世帯に増え、住民の自立を促進しています。

今回の旅もPWJの現地事務局にお世話になりました。1日目。バリ島で1泊のトランジット後飛行機で3時間、首都ディリの空港着。現地事務局長のEbiさんと合流し市内で食事を済ませ、車で生産地レテフォホへ向かいます。途中までは舗装されているのですが、半分ぐらいは無舗装でかなりのハードコース3時間。がんがん揺られながら山を登ります。道のわきには所々に東屋が立っていて、それぞれ自分の家のバナナや芋類を売っていました。それらと並んでペットボトルもよく見かけたので飲み物かなーと思っていたら、ガソリンだそうです。ガソリンスタンドがないので、みなさんこれを使うみたい。東ティモールの最高峰、標高2986mのラメラウ山をのぞむ山の中腹にあるピースコーヒーの故郷レテフォホ県。熱帯ながらも、標高1300~2000mという高地に位置するため昼夜の寒暖差が大きく、朝夕には適度な湿度をもたらす霧が山から届きます。途中から乾季には珍しく激しい雨に降られました。今思うとこれもラッキーだったなぁと思います。幻想的な霧に包まれ、霧に含まれる水分と炭素がコーヒーを美味しくするそうです。雨季には降雨量が2500-3000ミリにも達するという、上質なコーヒーを栽培する上で必要な条件を満たした理想郷レテフォホ。密度ある空気を吸い込むと長旅(大阪サミットと重なり前日入りのため、神山を出発してこの時点で二日半経過)の疲れがすっと消えるようでした。(つづく)


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